ブランドコミュニケーションで価値創出へ! 競合他社との差別化を図る具体策とは
SNSや口コミサイトなどのメディアが広く普及したことによって、気軽に商品・サービスの良し悪しについて発信したり、情報収集をしたりできるようになりました。消費者の行動・意見が社会的な影響力を持ち始めたことで、企業のビジネスにも影響を及ぼすようになっています。
このような環境のなかで企業や商品・サービスが選ばれる存在となるには、形だけの“魅力的なイメージづくり”ではなく、ブランドの本質やアイデンティティを見つめ直して、消費者の共感・愛着・信頼を育んでいくことが重要となります。
そこでカギとなるのが“ブランドコミュニケーション”です。消費者とのコミュニケーションを通してブランドの魅力や世界観などの価値を伝えていくことで、独自性が確立されて消費者にとって特別な存在になると期待できます。
企業のマーケティング担当者のなかには、「ブランドコミュニケーションを行うメリットは何なのか」「具体的な施策を知りたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ブランドコミュニケーションを行うメリットや具体策について解説します。
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ブランドコミュニケーションを行うメリット
ブランドコミュニケーションとは、自社ブランドの価値を消費者とのコミュニケーションを通して伝達する活動のことです。ブランドの想いや哲学、大切にしている価値観などを伝えることで、それに共感・愛着を持つ消費者が増えて、ブランドの独自性が確立されます。
取り組みによって以下のメリットが期待できます。
▼メリット
- ブランド価値の向上
- ロイヤルカスタマーの創出
- マインドシェアの獲得 など
これにより、ブランドコミュニケーションによって、消費者にとってのブランド価値が高まり、無理な価格競争に参加せずとも商品・サービスを選んでもらえることが期待できます。
また、消費者とのコミュニケーションを通してブランドに対する信頼や愛着を育むことによって、ロイヤルカスタマーの創出につながります。ロイヤルカスタマーが増えれば、リピート購入や継続契約によってLTV(顧客生涯価値)が向上して、継続的かつ安定した売上が確保できるようになります。
さらに、ブランドコミュニケーションでは、マインドシェアの獲得も期待できます。マインドシェアとは、消費者の心のなかでその企業やブランドが占めている占有率のことです。マインドシェアの獲得によって、「この商品といえばこのブランド」というイメージを持たれやすくなり、ほかの商品と比較されにくくなります。
その結果、競合他社と差別化を図るためのマーケティング施策にかかるコストを抑えられると期待できます。
なお、消費者との接点を創出するコミュニケーションは“マーケティングコミュニケーション”と呼ばれます。詳しくはこちらの記事をご確認ください。
ブランドコミュニケーションで競合他社と差別化を図る具体策
インターネット上にあらゆる情報があふれるなかで、自社ブランドの価値を消費者に伝えていくには、魅力的な顧客接点を創出してより密なコミュニケーションをとる必要があります。
不特定多数への画一的な情報発信を行うマスメディアの活用だけでなく、ターゲットに対してブランドの魅力や世界観を伝えられるコミュニケーション手段を選ぶことがポイントです。
①ブランドサイトを構築する
ブランドサイトとは、消費者に自社ブランドの認知を拡大させて、その魅力や価値を理解してもらうことを目的としたWebサイトです。
商品・サービスのターゲット層を意識して、ブランドのコンセプトや世界観などを自由に表現することで、競合他社の商材との優位性を示せます。最近では、主力とするブランドに対して一つのブランドサイトを構築するケースも見られます。
▼ブランドサイトを構築するときのポイント
- ブランドのコンセプトを反映したデザインにする
- ブランドの理念や価値観、想いなどを分かりやすいメッセージで示す
- ECサイトや店舗情報などの購買行動に移しやすい動線を設計する
②SNSで双方向のコミュニケーションをとる
SNSでのブランドコミュニケーションでは、自社商品を知らない層への認知拡大が期待できるほか、消費者との双方向のコミュニケーションを通してブランドの魅力を発信できます。
SNSにはコメントや投稿をシェアする機能などが備わっているため、ユーザーとの心理的な距離が近く、親近感を生みやすくなります。
ブランドコミュニケーションを行う際は、企業側からの一方的な情報発信だけでなく、ユーザーから企業に対してコミュニケーションをとれる投稿をすることがポイントです。
▼SNSによるブランドコミュニケーションの例
- アカウントのフォローによるキャンペーンを実施する
- 新商品に関するアンケートを募り、意見への返信を行う
また、SNSでのコミュニケーションを通して、消費者の意見や自社への評価を収集できれば、商品の改良やマーケティング施策の見直しにも役立てられます。
③コミュニティサイトを構築する
コミュニティサイトとは、企業が自社ブランドの顧客や消費者とコミュニケーションをとったり、ユーザー同士の交流の場をつくったりすることを目的としたWebサイトです。
双方向かつ共創的なコミュニケーションを通して、ブランドへの愛着・信頼を醸成することで、ファン化やほかの消費者への波及効果が期待できます。
▼コミュニティサイトによるブランドコミュニケーションの例
- ブランドに対する意見や商品改善のアイデアの投稿を募り、企業がそれに対して返信を行う
- 企業がブランドに関する有益な情報やエピソードなどを発信して、ユーザーによるSNSや口コミへの投稿を促す
- ブランドの商材に関連したユーザー参加型のプレゼントキャンペーンを実施する
④DM(ダイレクトメール)を送付する
DM(ダイレクトメール)は、見込み顧客や既存顧客との継続的なコミュニケーションによってブランドの価値を伝えられる紙媒体です。
手紙のような温かみのある印象を持ってもらいやすいほか、デザインや質感などを工夫してブランドの世界観を表現できます。
一人ひとりにパーソナライズ化された内容を記載すると、企業に対する愛着や信頼が醸成される可能性があります。
▼DMを活用したブランドコミュニケーションの例
- 試供品や初回購入の商品配送時に、ブランドの成り立ちや開発担当者の想いを伝えるメッセージを記載したDMを同梱する
- 新商品・サービスに関するDMにSNSやECサイトのアクセス情報を記載して、商材の詳細や魅力を見てもらうようにする
なお、一人ひとりに向けたアプローチを行う“one to one コミュニケーション”についてはこちらの記事で解説しています。
同梱チラシでコミュニケーションを創出した事例
ここからは、紙媒体の同梱チラシによって顧客とのコミュニケーションを創出した事例を紹介します。
株式会社イングリウッドさま・株式会社アイズさまの事例
食品販売のイングリウッドさまと、物流のアイズさま、そしてコミカミノルタとの三位一体で取り組んだ事例です。
▼課題
冷凍おかずの定期便サービスでは、マーケティング施策として顧客の購買傾向に合わせたパーソナライズ化した同梱チラシの運用を検討していました。しかし、サプライチェーンでのワークフローが複雑化することから実現が難しい状況でした。
▼施策
サプライチェーン全体によるオペレーションの負荷を踏まえて、当社が同梱チラシの施策フローを提案しました。物流会社と協力の下、顧客データに基づいたパーソナライズ化した同梱チラシの運用を導入しました。
▼効果
短期間での効果検証を実施して、紙媒体によるパーソナライズ化した同梱チラシの効果を確認できました。今後は、サービスのリテンションとなる施策として継続的に取り組みながら、新しいサービスへと進化させたいとのことです。
事例の詳しい内容は、こちらで紹介しています。
小田垣商店さまの事例
老舗豆類卸小売店、小田商店さまの事例です。
▼課題
取扱い商品の1つである黒豆は年末年始が大きな需要期でした。しかし、日常的にご利用いただくお客さまの数は少ない状況でした。
▼施策
お客さま一人ひとりに対して個別のコミュニケーションをとり、効果測定ができる印刷物を同封しました。また、初めての試みとしてお客さまへインタビューを実施しました。
▼効果
印刷物をパーソナライズ化したことにより、反応した層が明確になり、次に取るべきコミュニケーション施策を考えやすくなりました。インタビューにより、ご意見を深く具体的に理解したうえで、その内容を新たなコミュニケーション施策として実行しました。
事例の詳しい内容は、こちらで紹介しています。
まとめ
この記事では、ブランドコミュニケーションについて以下の内容を解説しました。
- ブランドコミュニケーションを行うメリット
- ブランドコミュニケーションで競合他社と差別化を図る具体策
- 同梱広告でコミュニケーションを創出した事例
ブランドコミュニケーションを通して、自社ブランドの魅力や世界観を発信することで、ブランド価値の向上やロイヤルカスタマーの創出、マインドシェアの獲得といったさまざまな効果が期待できます。
消費者にブランドの価値を伝える際は、ターゲット層と双方向のコミュニケーションがとれる媒体を選んだり、一人ひとりに特化した内容を発信したりすることがポイントです。なかでもDMは、紙媒体ならではの温かみがあり、手に取ったときに親しみや愛着を醸成しやすい特徴があります。
『AccurioDX』では、チラシやDMなどの紙媒体を用いた“1to1紙マーケティング”を一気通貫で支援しています。顧客データに基づいた一人ひとりに最適化されたコミュニケーションによって、ブランドの魅力や価値を訴求できます。
サービスの詳細については、こちらの資料をご覧ください。