アナログマーケティング×デジタルの併用で顧客体験を向上! メリットや活用法とは
顧客との接点がインターネット上へと広がるなか、近年ではWeb広告やSNSなどを用いたデジタルマーケティングが主流となりつつあります。
しかし、さまざまな企業がデジタルマーケティングに取り組むなかで自社を選んでもらうには、より魅力的な顧客体験を提供することが求められます。デジタルチャネルでのアプローチだけでは、すべての顧客接点をカバーするのは難しいと考えられます。
そこで重要性が再認識されているのが、アナログマーケティングです。対面または紙媒体の販促物を用いて行うアナログマーケティングは、デジタルにはない新たな顧客接点を創出したり、親近感のあるコミュニケーションによって体験価値を高めたりすることが期待できます。また、デジタルを応用することによって、アナログでも一人ひとりに最適化されたアプローチができるようになります。
この記事では、アナログとデジタルを組み合わせたマーケティングの重要性やアナログマーケティングのメリット、活用法について解説します。
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アナログとデジタルを組み合わせたマーケティングの重要性
スマートフォンやSNSが普及した今、オンライン上で商品・サービスの購買活動をする消費者が増えました。それに伴い、WebサイトやSNSなどのデジタルチャネルでアプローチを行うデジタルマーケティングが広く取り入れられるようになっています。
一方で、消費者の購買プロセスには、従来のリアルな店舗や紙媒体の販促物などのオフラインでの接点も含まれています。
▼オンライン・オフラインを行き来する購買プロセスの例
- Web広告で気になった商品を店舗まで足を運んで見てみる
- チラシで気になった商品をECサイトで購入する
オンラインを基盤としたデジタルマーケティングだけでは、顧客接点の取りこぼしが発生する可能性があるほか、購買プロセス全体で価値のある顧客体験を提供するのは難しくなります。
オフラインでの顧客接点を維持しながら魅力的な顧客体験を提供するためには、アナログとデジタルを併用したマーケティング戦略を打ち出すことが重要です。オンラインで接した顧客をオフラインで促す施策を表す『O2O』という言葉が頻繁に聞かれるようになったことからも、その重要性がうかがえます。
アナログマーケティングならではのメリット
アナログマーケティングには、以下のメリットがあります。
▼メリット
- 顧客の記憶に残りやすくなる
- コミュニケーションの質を高められる
- デジタルチャネル以外の顧客接点を創出できる
店舗やイベントなどの対面での会話をはじめ、紙媒体を用いた直接的なやり取りは、オンライン上にはない五感での顧客体験を生むため、記憶に残りやすくなると考えられます。
特にDMやチラシなどの紙媒体の販促物は手元に保存されることがあり、時間がたっても記憶に残りやすく、後日に購買行動へとつながる可能性も期待できます。
また、アナログマーケティングでは、対面で顧客の要望・課題をヒアリングして提案をしたり、紙媒体の販促物で人と人との暖かみのあるやり取りを行ったりします。オンラインでのやり取りと比較して親近感や信頼が生まれやすいため、コミュニケーションの質を高めることが可能です。
さらに、アナログチャネルでアプローチを行うことによって、WebサイトやSNSなどのデジタルチャネルで出会えなかった顧客との新たな接点を創出できる可能性も期待できます。
デジタルと融合したアナログマーケティングの活用法
アナログマーケティングをデジタルと融合させると、幅広い顧客接点でアプローチを行えるようになり顧客体験価値の向上を図れます。ここからは、アナログとデジタルを融合させた施策について解説します。
①デジタルチャネルで到達しない顧客層へのアナログ施策
Web広告やSNS、ECサイトなどのデジタルチャネルで接点を持てていない顧客層を取り込むには、認知拡大のためのアナログ施策が有効です。
アナログ施策を通して自社の商品・サービスを知ってもらうことで、店舗への来店やWebサイトへのアクセスなどの行動を促せるようになります。
また、リアルなイベントで取得した顧客データは、そのあとのアナログまたはデジタルマーケティングにも役立てられます。
▼認知拡大を図るためのアナログ×デジタルの施策例
- ターゲットとなる顧客層に適した雑誌に広告を掲載する
- 店舗の近隣エリアへチラシのポスティングを行う
- ターゲット層が訪れる施設や行事などでイベントを出展する
なお、雑誌広告をはじめとするオフライン広告についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
②一人ひとりに最適化された情報提供による顧客育成
一人ひとりに最適化されたアナログでのアプローチを行い、顧客育成を図る方法があります。
デジタルマーケティングを通して獲得した顧客データを基に、これまでの購買行動や検討度合いに応じた情報提供を行うことで興味関心の喚起を促せます。
アナログでのアプローチを行う際は、顧客が興味を持った段階ですぐに購買行動に移せるような仕掛けをつくることがポイントです。
▼顧客育成を図るためのアナログ×デジタルの施策例
- 試供品の申し込みをした顧客への配送時に同梱チラシを入れて、ECサイトで使える二次元コードつきのクーポンを届ける
- 会員アプリに登録してもらった顧客に挨拶状やブランドブックを送付して、自社のSNSアカウントの情報を一緒に掲載する
- 過去にECサイトで商品を購入したことがある顧客にDM(ダイレクトメール)を送付して、お得なキャンペーン情報とともに店舗限定のノベルティ引換券をつける
なお、顧客育成の基礎知識や施策についてはこちらの記事をご確認ください。
③双方向・共創的なコミュニケーションによる関係構築
アナログとデジタルのチャネルを活用して双方向かつ共創的なコミュニケーションをとることによって、顧客との良好な関係性を構築できます。
長期的な接点を持ちながら良好な関係性を築くことで、企業・商品への愛着が醸成されて、リピートの促進や顧客ロイヤルティの向上へとつながると期待できます。
▼双方向・共創的なコミュニケーションをとるためのアナログ×デジタルの施策例
- DMで新商品発売に関する口コミ投稿のキャンペーン情報を届けて、顧客によるSNSでの口コミ投稿を促す
- 店舗で商品を購入した顧客にアンケートを送付して、回答の特典としてECサイトで使えるクーポンやノベルティを配布する
コミカミノルタが提案するDMを用いたアナログ×デジタルのマーケティング事例
ここからは、DMを活用したマーケティング施策によって顧客育成を図った株式会社メック・デザイン・インターナショナルさまの事例を紹介します。
▼課題
既存顧客に向けておすすめ商品の案内や会員サイトの案内書面を送付していましたが、会員登録者数が伸び悩んでいました。
▼施策
顧客データに基づいたパーソナライズ化したDMを送付して、会員サイトへと誘導するアプローチを実施しました。
- 存顧客に対してパーソナライズしたハガキと、現行の画一的なハガキによるABテストを実施して有効性を検証した
- DMに二次元バーコードを記載して、会員サイトへの遷移率をリアルタイムで計測した
▼効果
- 二次元バーコードから会員サイトへの遷移率が3倍になった
- 会員登録者数が前年度の同月に比べて4.8倍となった
今後は、キャンペーンやイベントの案内などにもパーソナライズ化したDMを活用して、顧客体験価値の向上につなげたいとのことです。
まとめ
この記事では、アナログマーケティングとデジタルの併用について以下の内容を解説しました。
- アナログとデジタルを組み合わせたマーケティングの重要性
- アナログマーケティングならではのメリット
- デジタルと融合したアナログマーケティングの活用法
- DMを用いたアナログマーケティングの事例
アナログマーケティングには、対面による会話や紙媒体でのやり取りなど、デジタルにはない五感での顧客体験を提供できます。
五感への働きかけによって商品・サービスの記憶が残りやすくなるほか、親近感や信頼を醸成したり、デジタルチャネルでは出会えなかった新たな接点を創出したりすることが期待できます。
顧客の購買行動や接点が多様化・複雑化するなかで顧客体験価値の向上を図るには、デジタルチャネルだけでなく、アナログ施策を組み合わせたマーケティング戦略を打ち出すことが重要です。
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