リードナーチャリングで購買意欲を向上! メリット・デメリットと有効な手法とは
近年、BtoBやBtoCを問わず消費行動のオンライン化が進んでおり、SNSや口コミサイトを利用した情報収集、ECサイトを利用した購買活動などが見られるようになりました。
消費者自らがさまざまな商品・サービスを比較検討して、自分が求めるモノを必要なタイミングで購入できるようになったことで購買プロセスは複雑化しています。
そのような環境のなかで、「広告は見てもらえたが申し込みまでつながらない」「資料ダウンロードのあとに購入まで至らない」などの悩みを抱える企業担当者もいるのではないでしょうか。
自社商品・サービスの購入につなげるには、見込み顧客との接点を維持しつつ、購買意欲を高めるための継続的なアプローチを行うことが必要です。そこで重要となるのがリードナーチャリングです。
この記事では、リードナーチャリングを行うメリット・デメリットや有効な手法について解説します。
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購買意欲を高める!リードナーチャリングの重要性
リードナーチャリングとは、見込み顧客を育成することです。見込み顧客はリードとも呼ばれ、企業や商品・サービスを認知しているもののまだ購入まで至っていない顧客層のことを指します。
SNSやECサイトなどで手軽に情報収集・比較検討ができるようになった今、消費者の購買プロセスは複雑化しています。また、時代背景や技術の進歩により、消費者の価値観・消費スタイルにも変化が見られています。
数ある選択肢のなかから自社の商品・サービスを選んでもらうには、見込み顧客の検討度合いに応じた情報提供や訴求を行い、信頼関係を構築したり興味関心を高めたりすることが重要です。
そのためには企業からの一方的なアプローチではなく、消費者と企業との双方向的・共創的なコミュニケーションによって関係性を構築することが求められます。
なお、リードナーチャリングはマーケティング活動における顧客育成のうちの一つのパターンに含まれます。
▼顧客育成の3つのパターン
顧客層 |
対象者の例 |
手法 |
見込み顧客 |
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まだ購入に至っていない見込み顧客を、商品購入につなげて新規顧客へと育成する |
既存顧客 |
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すでに接点のある既存顧客をリピーター購入につなげて、優良顧客へと育成する |
優良顧客 |
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自社への貢献度が高い優良顧客をさらに育成して、LTV(※1)が高い顧客やロイヤルカスタマー(※2)へと育成する |
休眠顧客 |
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一度興味を持ってくれた顧客にアプローチすることで、優良顧客に育成する |
なお、顧客育成の基礎知識や施策についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
※1…顧客生涯価値:1人の顧客との取引を始めてから終了するまでに、企業にもたらす利益の総額
※2…企業や商材に愛着・信頼を持つ顧客のこと。
リードナーチャリングを実施するメリット・デメリット
リードナーチャリングに取り組むにあたっては、さまざまなメリット・デメリットがあります。
メリット
リードナーチャリングのメリットには、以下が挙げられます。
▼メリット
- ROIの改善を図れる
- 機会損失を防げる
- 信頼関係を築ける
ROI(Return On Investment)とは投資対効果を意味しており、投じた費用に対してどれくらいの利益を得られたのかを示す指標です。マーケティング施策における費用対効果を測る際に活用されています。
広告運用やイベントなどを通して獲得した見込み顧客を育成して、より多くの見込み顧客を商品・サービスの購入へとつなげることで、見込み顧客の獲得におけるROIの改善を図れます。
また、獲得した見込み顧客との継続的なコミュニケーションによって接点を維持すると、自社を覚えてもらったり興味関心を高めたりすることが期待できます。これにより、商品・サービスを比較検討している段階で競合他社に流れてしまうのを防止できます。
さらに、見込み顧客の課題・ニーズに応じた情報提供やフォローを実施すると、信頼関係を構築することが可能です。その結果、商品・サービスの購入やリピートまたは定期購入につながり、優良顧客へと引き上げられます。
なお、広告の費用対効果を測る方法や施策については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
デメリット
リードナーチャリングには、気をつけておきたいデメリットもあります。
▼デメリット
- 見込み顧客を獲得するための施策が必要
- 長期的なアプローチが必要になる場合がある
リードナーチャリングによるメリットを享受するには、事前にアプローチの対象となる見込み顧客を獲得しておくことが前提となります。
また、見込み顧客によって課題・ニーズや検討度合いは異なるため、すぐに購入につなげられるとは限りません。見込み顧客に合わせた長期的なアプローチを行う場合には、時間・リソースも必要となります。
リードナーチャリングに有効な3つの手法
リードナーチャリングを実施する際は、見込み顧客との接点を維持しながら、一人ひとりの行動や興味関心の度合いに応じてアプローチを行うことが重要です。
ここでは、リードナーチャリングに有効な3つの手法を解説します。
①メールマーケティングの運用
メールマーケティングとは、顧客の属性や購買行動などに合わせた内容のメールを配信して、商品・サービスの購入に結びつける手法です。
見込み顧客に対して定期的なメールを配信して接点を維持することで、商品・サービスへの興味関心を高められます。メールを配信する際は、見込み顧客の行動や想定される課題・ニーズに合った内容に工夫することがポイントです。
▼メールマーケティングの実施例
- メールマガジンに登録している見込み顧客にお得な情報を提供する
- 試供品・トライアルを申し込んだ見込み顧客に、定期購入プランを紹介する
- 資料請求をした見込み顧客に、特別なキャンペーン・クーポン案内を行う
②SNSでの情報発信・コミュニケーション
企業のSNSアカウントで情報発信を行ったり、ユーザーと直接コミュニケーションを取ったりしてリードナーチャリングを行う方法もあります。
SNSは日常的に気軽に見てもらいやすいため、見込み顧客と継続的かつ密なコミュニケーションを取りやすいことが特徴です。
見込み顧客が興味関心を惹くような情報を提供して、購入にスムーズにつなげる仕組みをつくることがポイントです。
▼SNSの活用例
- 商品・サービスの使用動画を配信して、使用イメージの訴求を行う
- お得なセールやキャンペーン情報を配信して、ECサイトへ誘導する
- 商品開発部からのメッセージを配信してブランディングを行う
- フォロワー限定の参加型プレゼントキャンペーンを実施する
③DM(ダイレクトメール)の送付
ECサイトでの会員登録や試供品の申し込みなどを通して、住所の情報を取得した見込み顧客に対してDMを送付する方法があります。
DMは、Web上でのアプローチとは異なり見込み顧客の自宅に直接送付するため、自然と手に取ってもらいやすく開封されやすい特徴があります。
また、紙媒体での1対1の親近感のあるコミュニケーションをとれるため、信頼関係の構築や愛着の醸成などにつながることも期待できます。
DMを送付する際は、見込み顧客にとって有益かつ特別感のある内容を記載するとともに、DMを通じて来店やECサイトへのアクセスを促すような仕組みをつくることがポイントです。
▼DMの活用例
- ECサイトの会員登録をしたユーザーに新商品を紹介するDMを送付して、サービスページにすぐにアクセスできる二次元バーコードをつける
- 店舗限定のキャンペーンを案内するDMを送付して、DMの持参によるノベルティ配布の宣伝を行う
まとめ
この記事では、リードナーチャリングについて以下の内容を解説しました。
- リードナーチャリングの重要性
- リードナーチャリングを実施するメリット・デメリット
- リードナーチャリングに有効な3つの手法
見込み顧客との接点の維持や購買意欲の向上を図り、自社商品・サービスの購入を後押しするには、リードナーチャリングが重要です。リードナーチャリングに取り組むことで、ROIの改善や機会損失の防止、信頼関係の構築などのメリットにつながると期待できます。
より効果的なリードナーチャリングを実施するには、顧客一人ひとりの行動や興味関心の度合いに応じて、パーソナライズ化したアプローチを行うことが重要です。
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