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広告の費用対効果を測るROASとは?計算式や使い方・改善方法を解説

商品・サービスの認知拡大や販売促進に向けて広告施策を運用する際、投入したコストに対してどれくらいのパフォーマンスが得られたのか、費用対効果を算出することが欠かせません。
 
費用対効果を算出することで、改善が必要な部分と、積極的に予算を充てて拡大した方がいい部分を把握できるようになり、広告運用の最適化につなげられます。
 
企業のマーケティング担当者のなかには、「広告の費用対効果の計算式をどのように活用すれば良いか」「最適化を図るためにどのような施策が有効なのか」などと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
 
この記事では、広告運用における費用対効果を測るROASについて、計算方法と活用ポイント、改善方法について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.広告の費用対効果を測るROASとは
    1. 1.1.費用対効果とは
    2. 1.2.ROASとは
  2. 2.ROIやCPAとの違い
    1. 2.1.ROIとの違い
    2. 2.2.ROAS・ROI・CPAの指標を活用する際のポイント
  3. 3.ROASをもとにした広告施策の改善方法
    1. 3.1.広告媒体・予算配分の見直し
    2. 3.2.広告コンテンツの改善
    3. 3.3.ターゲティングの見直し
    4. 3.4.定期的に見直しを行いPDCAを回す
  4. 4.まとめ


広告の費用対効果を測るROASとは

広告の費用対効果を測るにあたっては、ROASという指標が用いられます。ここでは、ROASの意味や計算方法について解説します。


費用対効果とは

そもそも費用対効果とは、「その施策にかけた費用に対して得られる効果」のことを指します。企業にとっては、いかに多くの収益を上げられるかが重要となります。しかし予算について検討する際、投資した費用に見合う効果が得られないと損失となりかねないため、費用対効果は施策を行う上で重要な指針の一つです。


ROASとは

ROAS(Return On Advertising Spend:広告費用対効果)とは、広告費に対して得られた売上高をもとに費用対効果を測る指標です。ROASが100%を超える場合、売上が広告費を上回っているということになります。算出された数値(%)が大きいほど、広告の費用対効果が高いと判断できます。
 
過去の売上実績または売上予測などのデータをもとに、広告が売上にどれくらい貢献しているかを把握することで、予算の配分や入札価格の見直しに役立てられます。


ROASの計算式

ROASを算出する計算式は以下のとおりです。
 
ROAS(%)=広告を経由した売上額÷広告費×100

▼例

例えば40万円の広告費を投じて60万円の売上につながった場合のROASは、[60万円÷40万円×100=150%]となります。


ROASの注意点

注意点として、ROASが100%以上であっても、売上高から売上原価を差し引くと利益がマイナスになる可能性もあります。あくまで売上をベースに算出しているため、ROASが200%を越えていても利益が出ていないケースもあるのです。
広告の適正な費用対効果を知りたい場合はROASの指標のみで判断せずに、ROI(Return On Investment:投資利益率)と併せて確認することが重要です。

ROIやCPAとの違い

費用対効果を見るときに使用する指標として、ROASのほかにROIやCPAが挙げられます。ここでは、ROASと混同しやすいROIやCPAとの違いについても整理しましょう。


ROIとの違い

ROI(Return On Investment:投資利益率)とは、投入した広告費に対してどれくらいの利益(粗利)を上げられたのかを測る指標です。ROIは事業や広告の規模が違う場合でも効果測定ができるという特徴があります。そのため、広告単体の成果を測定するROASと違い、ROIは事業全体の成果を示す指標です。
 
ROIの損益分岐点は100%となるため、算出した数値が100%を超えている場合は、広告運用の利益が出ていると判断できます。
 
ROIを算出することで、利益率の高い広告を把握して、広告全体における予算配分や入札価格の見直しを検討することが可能です。

▼計算式

ROI(%)=利益 ÷ 広告費 × 100

▼例

40万円の広告費を投じて100万円の売上があり、売上原価40万円を引いた利益(粗利)が60万円だった場合のROIは、[60万円÷40万円×100=150%]となります。


ROAS・ROI・CPAの指標を活用する際のポイント

ROASは広告の費用対効果を判断できる重要な指標ですが、広告全体の成果を適切に判断するには、測定したい項目に応じてROASとROI、CPAの3つの指標を使い分けることがポイントです。

▼指標別の測定項目

指標

測定できること

ROAS

売上高を基準とした費用対効果

ROI

利益を基準とした費用対効果

CPA

1件当たりのコンバージョンにかかる広告費


広告運用の全体的な効果を測定して、売上目標との差分を確認したいときは、売上高をベースとしたROASの指標を用います。
 
また、広告運用によって利益が出ているかどうか、粗利目標との差分を確認するときには、利益をベースとしたROIの指標を用います。
 
ROASの指標は売上を基準にしているため、広告による利益がどのくらい出ているか判断できません。対して、ROIは売上から売上原価を引いた利益を基準とした費用対効果が測定できますが、あくまで現時点での数値になるため、長期的な視点での評価には適していません。
費用対効果を高める施策を検討する際は、ROASとROIの両方で効果測定を行い、投資コストをどれくらい回収できているかを確認することが重要です。
 
CPAについては、広告媒体別の効果を測定したい場合や、売上・利益などに直接つながらない問い合わせ数、来店数などの効果を測定したい場合に活用できます。
運用中の広告のうち、安価でコンバージョンにつながっているものを抽出することができます。しかし、先にご紹介したようにCPAを安くすることだけにこだわっていると、コンバージョン数の減少にもつながりかねません。
ROAS、ROI、CPAは測定した項目ごとに使い分け、3つの指標を組み合わせることが広告施策全体の費用対効果改善につながるでしょう。


ROASをもとにした広告施策の改善方法

広告の費用対効果を算出して、広告媒体別の効果や改善点を把握したあとは、最適化に向けて取り組むことが重要です。
 
ここからは、ROASの指標をもとにした具体的な改善方法について解説します。


広告媒体・予算配分の見直し

ROASとROIを算出した上で、売上への貢献が低く、利益率が低い広告媒体については見直しを図る必要があります。適切な時期に見直しを行わなければ、後に大きな損失につながりかねません。
広告媒体に加えて、予算配分の最適化も行います。広告費に対して得られた売上高や利益率が高い媒体に予算を充てることで、費用対効果の改善を図れます。


広告コンテンツの改善

広告の最適化を図るには、広告を見たユーザーを商品購入や問い合わせなどのコンバージョンにつなげることが必要です。
 
そのためには、ユーザーの興味関心や購買意欲を喚起して、スムーズにコンバージョンに誘導するためのコンテンツが求められます。
 
特に費用対効果が低い媒体についてはコンテンツの改善が必須です。広告に掲載する画像やキャッチコピー、訴求文などを変えた複数のパターンでテストを実施しましょう。ABテスト は、2つのパターンでどちらが効果的なコンテンツかを判断できる手法です。ABテストを一定期間繰り返して検証することで、コンバージョンにつながりやすいコンテンツに改善を図ることができます。 

 

ターゲティングの見直し

広告の費用対効果が低い場合には、ターゲティングを再度行い、属性やニーズ、購買行動に基づいて広告施策を見直す必要があります。
 
広告を最適化するには、自社の商品・サービスのターゲット層に広告を届けるとともに、興味関心や購買意欲を高めるためのアプローチを行うことが重要です。ユーザーによって異なる属性やニーズ、興味関心、購買行動を把握し、どのようなユーザーにアプローチすべきかを見直して適切なターゲティングを設定しましょう。
 
ユーザー一人ひとりの興味関心や購買行動に合わせたパーソナライズした広告を配信することで、よりコンバージョンに導きやすくなります。
 
 
なお、ターゲティングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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定期的に見直しを行いPDCAを回す

ROASなどの指標をもとにした広告施策を効果的に実施していくためには、定期的な見直しを行い、PDCAを繰り返し回すことが必要不可欠です。
データに基づいた効果検証・改善により改善点や課題を明確にすることで、より費用対効果の高い施策を選択することができます。
 
広告施策において知見が足りない、PDCAを回す上でリソースが足りていないなどのお悩みがある場合は、外部へアウトソーシングするという方法も視野に入れると良いでしょう。


まとめ

この記事では、広告の費用対効果について以下の内容を解説しました。

  • 広告の費用対効果を算出する方法
  • ROAS・ROI・CPAの指標を活用する際のポイント
  • 広告の最適化を図るための施策

広告の費用対効果は、ROAS・ROI・CPAという3つの指標を用いて算出できます。測定したい項目に応じて指標を使い分けることがポイントです。
 
また、費用対効果が低い媒体では、広告媒体・予算配分の見直しを行うとともに、広告コンテンツの改善を図る、ターゲティングを再度実施するなどの施策を検討することが重要です。
 
広告を見たユーザーをコンバージョンへと促すためには、一人ひとりの興味関心や購買行動に合わせた広告を配信することがカギとなります。
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なお、チラシやDMをはじめとするオフライン広告の手法については、こちらの記事をご確認ください。

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