顧客をファン化させる重要性。3つのポイントを押さえて深い関係を築こう
市場の商品・サービスが飽和状態となり、競合他社との競争は激しくなっています。企業が長期的に安定した売り上げを確保していくには、自社の商品・サービスに愛着・信頼を持ち、継続的に購入・利用してくれるファンを育成することが重要です。
企業のマーケティング担当者のなかには、顧客との関係性を構築しようとしているもののファン化につながらず、次の一手となる施策を検討している方もいるのではないでしょうか。
この記事では、顧客をファン化させる重要性や深い関係性を築くためのポイントについて解説します。
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なぜ顧客のファン化が重要なのか
市場が飽和して企業間の競争が激しくなるなか、新規顧客を獲得する難易度は高くなっています。また、新規顧客を獲得するためのコストは、既存顧客との関係維持にかかるコストと比べて5倍といわれています。
このような状況で企業が効率的に売上を確保していくには、既存顧客との関係構築・維持を行い、リピートや定期購入を増やしてLTV(顧客生涯価値)を高めることが必要となります。
LTVを高めるために、企業や自社商品・サービスに深い愛着と信頼を持ってもらい、継続的に購入・利用してくれるファンを育成することが重要です。
顧客をファン化させることで、以下の効果をもたらすことが期待できます。
▼ファン化によってもたらされる効果
- 価格競争を回避して持続的な競争優位性を確保できる
- よい口コミの拡散によって新規顧客の獲得が期待できる
- ファンによる良質なフィードバックを得て、商品開発や改善に役立てられる
なお、ファンを育成する手法の一つとなる“ファンマーケティング”については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
また、LTVの向上を図るポイントについてはこちらをご確認ください。
自社のファンを創り上げるための3つのポイント
自社のファンを創り上げるためには、顧客への理解を深めたうえで、相互コミュニケーションによって関係性を構築することが重要です。
①顧客が持つ課題・ニーズを把握する
1つ目のポイントは、顧客が持つ課題・ニーズを把握することです。
顧客をファン化させるには、自社商品・サービスに対する満足度を高めることが前提となり、そのためには顧客が持つ課題・ニーズを把握する必要があります。
顧客が持つ課題・ニーズを把握することで、商品・サービスに求められているものや、よりよい顧客体験を提供するための改善点などが明らかになります。これにより、顧客満足度の向上を図るための有効な施策の検討につながります。
▼課題・ニーズを把握するための取り組み
- ペルソナを設定して、商品・サービスに求めるものを想定する
- カスタマージャーニーマップを作成して、購買プロセスにおける顧客接点の問題点や改善点を洗い出す
- 顧客の購買データから、売れ筋商品の傾向や顧客が魅力に感じる点などを分析する
- アンケート結果やカスタマーセンターの問い合わせ内容を基に、顧客の疑問点・不満などを把握する
②顧客体験価値の向上を図る
2つ目のポイントは、顧客体験価値の向上を図ることです。
顧客との深い関係性を築いてファン化させるには、購買プロセスの各接点における顧客体験価値(CX)を向上させて満足度を高める必要があります。
顧客体験価値の向上を図るには、ターゲット層に対して画一的なアプローチではなく、一人ひとりに寄り添ったパーソナライズ化したコミュニケーションを取ることが重要です。
▼顧客体験価値を向上させる取り組み
- Webサイトの購入ページで関連商品・おすすめ商品をレコメンドする
- 商品の初回購入時に感謝の気持ちを伝えるサンクスレターを同梱する
- 一度購入後、リピートがない顧客に対してDM(ダイレクトメール)でキャンペーン情報や割引クーポンを案内する
なお、顧客体験価値を高める方法とポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
③相互コミュニケーションによって関係性を深める
3つ目のポイントは、相互コミュニケーションによって関係性を深めることです。
ファン化につなげるには、顧客接点において相互コミュニケーションを取れる仕組みを構築して顧客との距離を縮めることが重要です。
顧客との相互コミュニケーションを行うと、親近感が生まれて企業や商品・サービスに対する信頼・愛着が醸成されることが期待できます。
▼相互コミュニケーションをとる仕組み
- 会員向けコミュニティサイトを運用して、顧客参加型のキャンペーンや質問への回答などを行う
- SNSで口コミ投稿によるプレゼントを実施する
- 新商品を紹介するオンラインミーティングを実施する
- 購買商品に応じた役立つ知識や商品の活用術などをDMで送付する
一人ひとりに合わせた同梱物で顧客のファン化につなげた事例
イタリアンワイン専門のECサイトを運営しているトスカニーさまの事例を紹介します。
▼課題
ECサイトの性質上、購入してくれた顧客の顔が直接見えにくく、接客方法が限られているため、「買ってよかった」「また購入したい」と感じてもらえる施策を模索していました。ワインは銘柄ごとに原料や製造方法、誕生の背景がある奥深い飲み物です。顧客からの要望のなかには「詳細情報を読みながら飲みたい」という声もありました。
▼取り組み
顧客が購入したワインに合わせて、そのワインの詳細情報を記載した同梱物で伝える施策を採用しました。
▼効果
ECサイトに「梱包が丁寧。リピートしたい」とのレビューが書き込まれるようになったほか、別のワインセットを購入される効果もありました。また、同梱物には個別QRコードを記載して効果測定を実施することで、改善へとつなげています。
まとめ
この記事では、顧客のファン化について以下の内容を解説しました。
- 顧客をファン化させる重要性
- 自社のファンを創り上げるためのポイント
- 顧客のファン化につなげた事例
市場の競争が激しくなり新規顧客を獲得する難易度が高まっている状況において、効率的かつ安定した売上を確保していくには、顧客をファン化させてLTVの向上を図ることがカギとなります。
自社のファンを創り上げていくには、顧客が持つ課題・ニーズを基に商材の改善を図るとともに、顧客体験価値を向上させて満足度を高めたり、相互コミュニケーションをとり信頼・愛着を醸成したりする取り組みがポイントとなります。
コニカミノルタの『AccurioDX』では、DMやチラシを用いた紙媒体のマーケティング施策を通して、1対1の親近感のあるコミュニケーションを実現できます。一人ひとりにパーソナライズ化したアプローチによって、顧客体験価値の向上や信頼関係の構築につなげられます。
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