顧客体験価値(CX)を高める方法と実施のポイント
市場にあらゆるモノがあふれ、スマートフォン・SNSの普及によって消費者が気軽に情報収集を行えるようになった今、商品の質や価格だけでは差別化が難しくなりつつあります。
また、時代の流れによって消費者の購買スタイルや価値観も、モノを所有する“モノ消費”から、モノを所有することに執着せず、限られた時間や場所での体験や経験に価値を見出す“コト(事)消費・トキ(時)消費・イミ(意味)消費”に変化しています。
このようななかで企業が消費者から選ばれる存在となるためには、顧客体験価値(CX:カスタマーエクスペリエンス)を高めて、「また利用したい」「企業や商品に愛着を感じる」などと思ってもらうことが重要です。
この記事では企業のマーケティング担当者に向けて、顧客体験価値を高める方法やポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.近年重要視される顧客体験価値とは
- 2.顧客体験価値を高める方法
- 2.1.①現状の顧客体験を可視化する
- 2.2.②顧客体験の課題・改善点を抽出する
- 2.3.③改善策を立案する
- 2.4.④仮説検証を繰り返す
- 3.顧客体験価値の向上に取り組む際のポイント
- 4.まとめ
近年重要視される顧客体験価値とは
顧客体験価値とは、顧客(Customer)と体験(Experience)を掛け合わせた言葉で、顧客が商品・サービスを検討してから購入・利用に至るまでの一連のプロセスで得た感情や価値を指します。
顧客体験の例には、以下が挙げられます。
▼顧客体験の例
- 商品を調べるためにSNSや口コミを見る
- 商品を購入するためにWebサイトにアクセスする
- 店舗に来店して商品を受け取る
- 購入した商品を利用する
- 故障や不具合について問い合わせる
顧客体験価値の向上には、さまざまな体験を通して、満足度を高めたり、共感・信頼を得たり、愛着を感じてもらったりする目的があります。
従来のモノ消費から、コト消費・トキ消費・イミ消費に消費者の行動や価値観が変化した現在では、いかによい体験価値を提供できるかが重要視されています。
また、近年スマートフォン・SNSが普及したことで、消費者自身が意見を発信して、他者への情報共有を気軽に行えるようになりました。消費者の意見は、企業のイメージや商品の評価にも影響力を持つと考えられるため、顧客体験価値を向上させて信頼関係を築くことが求められます。
顧客体験価値を高める方法
顧客体験価値を高めるには、顧客の購買プロセスにおいて、どのような体験を提供できているかという現在の状況や課題を洗い出して、改善につなげていくことが大切です。
具体的な流れは、以下のとおりです。
①現状の顧客体験を可視化する
顧客体験価値を高める施策を検討する前に、現在どのような体験を提供しているのかを可視化することが必要です。
そのためには、顧客との接点(認知・比較検討・購入・利用など)を時系列で整理して、それぞれの接点で提供している体験を洗い出します。
その際、各接点における顧客の心理や感情、購買行動などを想定したカスタマージャーニーを作成すると、顧客体験を客観的に可視化しやすくなります。
②顧客体験の課題・改善点を抽出する
カスタマージャーニーによって顧客との接点・体験を可視化したあとは、課題と改善点を抽出します。
「顧客が求める体験を提供できていない接点はないか」「よりよい体験に改善できる接点はないか」などを洗い出します。
チェックするポイントには、以下が挙げられます。
▼課題・改善を洗い出すときにチェックするポイント
- 店舗の第一印象やスタッフの対応はよいか
- メディアに合わせた広告配信ができているか
- 購買フェーズに合った情報提供ができているか
- スムーズに情報収集や購入ができるWebサイト設計になっているか
- 定期的なフォローで顧客との信頼関係を構築できているか
③改善策を立案する
顧客体験に関する課題・改善点を明らかにしたあとは、具体的な施策を立案します。情報提供やコミュニケーションの方法・タイミングを見直したり、顧客がスムーズに購買行動を進められるようにしたりすることが重要です。
▼顧客体験の改善例
- 検討段階の顧客にキャンペーンや試供品の情報を提供する
- イベント実施後や問い合わせ対応後にフォローメールを送信する
- 商品の発送時に感謝の気持ちを伝えるチラシを同梱する
- Webサイトの商品ページで関連商品・おすすめ商品を表示する
なお、同梱チラシについてはこちらの記事で解説しています。併せてご一読ください。
④仮説検証を繰り返す
顧客体験価値を高めるには、仮説検証を行い、継続的に改善につなげていくことが欠かせません。改善策の効果が十分に得られない場合や、新たな課題が見つかった場合には、新たな仮説を立てて再度検証する必要があります。
時代や消費者ニーズの変化に合わせて、よりよい体験を提供できるように見直していくことで、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の向上につながります。
なお、LTVについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
顧客体験価値の向上に取り組む際のポイント
現状の顧客体験における課題・改善点を抽出する際は、データを用いて顧客分析を行うことがポイントです。
その際、最優良な顧客へのインタビューやアンケートを実施して、体験の背景となる情報を得ることも重要です。顧客のリアルな行動・意見を取り入れることで、顧客体験価値を向上させるためのより詳細な改善策を検討できるようになります。
顧客分析の方法には、以下が挙げられます。
▼顧客分析の方法
- Webサイトでの行動履歴・購買状況・口コミなどのデータを分析する
- 顧客満足度調査やNPS®(※)(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)を実施する など
ただし、企業目線だけで顧客体験を描いてしまうと恣意的になってしまう可能性があるため、パートナー企業の第三者を含めて取り組むことがおすすめです。
また、近年はオンライン施策であるデジタルマーケティングが主流になっていましたが、これからはオフライン施策とオンライン施策を自由に選べる時代です。双方の強みをうまく活用することで、顧客データを基にしたパーソナライズが可能です。詳細についてはこちらからダウンロードいただけます。
なお、コニカミノルタでは、企業さまと共創しながら顧客体験の価値向上に向けて、一人ひとりにパーソナライズした改善策をご提案いたします。コミカミノルタが提供する1to1紙マーケティング『AccurioDX』を活用した価値共創の事例についてはこちらをご覧ください。
※NPS®はベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標です。
まとめ
この記事では、顧客体験価値について、以下の内容を解説しました。
- 顧客体験価値とは
- 顧客体験価値を高める方法
- 顧客体験価値の向上に取り組む際のポイント
従来のモノ消費から、コト消費・トキ消費・イミ消費が重視される今、企業には顧客体験価値を高めることが求められています。
そのためには、現状の顧客体験を可視化して課題・改善点を洗い出すとともに、仮説検証を繰り返して継続的に改善へつなげていくことが重要です。
また、自社や自社商品に信頼、愛着を持ってもらうには、論理的な施策だけでなく、購買プロセスのなかで顧客とのぬくもりのあるコミュニケーションを創出することも必要不可欠といえます。
コニカミノルタは、あなたと一丸となってコミュニケーションを共創していく会社です。コンサルタントとは違う、1to1の施策支援やサポートを行うパートナーになりたいと考えております。
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