エコマーケティングとは? SDGsと環境に配慮した企業活動のメリット
近年、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)やサステナビリティ、エシカル消費などの言葉が広がり、社会全体で地球環境保護に対する意識が高まっています。企業活動においても、地球温暖化をはじめとする環境問題への取り組みが重視される時代となっています。
そうしたなか、市場や消費者のニーズに対応して、持続可能な経営を行うために注目されているのが“エコマーケティング”です。
企業のマーケティング部門では、「エコマーケティングとは一体どのようなものなのか」「取り組むことでどのようなメリットがあるのか」など疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、エコマーケティングとは何か、取り組むメリットやポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.地球環境に配慮するエコマーケティングとは
- 2.企業がエコマーケティングに取り組むメリット
- 2.1.企業イメージの向上
- 2.2.新たな顧客層の獲得
- 2.3.ビジネスチャンスの創出
- 3.エコマーケティングを効果的に実施する際のポイント
- 4.まとめ
地球環境に配慮するエコマーケティングとは
エコマーケティングとは、自然や生態系などへの負荷が少なく、地球環境に配慮した商品・サービスを展開して、販売促進、ブランド価値の創出を図るマーケティング手法です。グリーンマーケティングと呼ばれることもあります。
例えば、以下のような活動が挙げられます。
▼エコマーケティングの例
- 商品の包装を少なくして、プラスチックゴミの排出量を減らす
- 製造過程で排出される廃棄物・CO2を削減する
- 製造にグリーンエネルギー(太陽光や風力発電)を使用する
- 商品の製造にリサイクル資源を使用する など
エコマーケティングが注目されるようになった背景には、環境保全やSDGsへの意識の高まりが挙げられます。
現在、地球温暖化や海洋・土壌汚染、生物多様性の損失などの世界的な課題があふれており、企業における社会的責任(※)として、課題解決への対応が求められています。
また、世界が抱える問題を解決するためのSDGsが国連で採択されたことで、企業の事業や販売する商品・サービスにおいても、SDGsとのつながりが重視されるようになっています。
エコマーケティングに取り組み、社会的な課題解決に貢献することは、企業の価値にも直結すると考えられます。
※企業が事業活動を行ううえで、社会や環境に対して求められる責任のこと。CSRとも呼ばれている。
企業がエコマーケティングに取り組むメリット
エコマーケティングに取り組むことで、地球環境保護への貢献につながるだけでなく、事業活動においてもさまざまなメリットが期待できます。
企業イメージの向上
エコマーケティングを通して、環境保護やSDGsの達成に向けて取り組む姿勢を示すことで、社会に貢献する企業としてイメージの向上につながります。
また、環境に配慮した商品・サービスは、環境問題・社会貢献などに意識の高い消費者からの共感を得やすくなります。その結果、消費者への信頼獲得やブランド価値の向上など、企業にとってプラスに働くことが期待されます。
新たな顧客層の獲得
エコマーケティングによって、新たな顧客獲得につながることも期待できます。
近年では、SDGsやサステナビリティという言葉が広がっており、消費活動においても人・社会・地域・環境に配慮した“エシカル消費”を行う方が見られています。
消費者庁の『令和4年度第3回 消費生活意識調査』によると、調査対象者の半数近くの人がエシカル消費に興味を持っていることが報告されています。また、「同じようなものを購入するなら環境や社会に貢献できるものを選びたい」と回答した人は、53.8%と半数以上を占める結果となりました。
▼エシカル消費に取り組む理由
画像引用元:消費者庁『令和4年度第3回 消費生活意識調査』
企業が環境に配慮した商品・サービスを展開することで、環境配慮への意識が高い
顧客層へのアピールが可能になり、結果として売り上げの向上が期待できます。
出典:消費者庁『令和4年度第3回 消費生活意識調査』
ビジネスチャンスの創出
市場や消費者のニーズに対応するために、環境に配慮した商品・サービスを追及していく過程で、新たなビジネスチャンスが生まれることも期待できます。
エコなコンセプトを取り入れた新商品・ブランドを新たに展開すると、事業の発展や競合他社との差別化などにつなげられる可能性があります。
また最近では、企業投資において企業の持続可能性や成長性を評価する際に、経済性・社会性・環境性の3つの視点を重視する“ESG(※)”が広がりつつあります。
エコマーケティングによって環境問題を意識した商品・サービスを展開することは、事業の発展・拡大が期待できる企業として、社会的な評価を得やすくなります。その結果、新たな取引先や事業パートナーの獲得につながることが期待できます。
※経済性・社会性・環境性の視点を考慮した経営活動や投資活動のこと
エコマーケティングを効果的に実施する際のポイント
エコマーケティングを実施する際は、自社の事業内容との整合性を保ちつつ、消費者の興味関心を惹くための訴求方法を工夫することが重要です。
①事業内容と整合性を持たせる
エコマーケティングを実施する際は、自社の事業内容と整合性のある取り組みを行うことがポイントです。
表向きのイメージだけを優先した施策は、グリーンウォッシング(※)とみなされて、マイナスなイメージにつながるおそれがあります。
原材料の調達から製造、加工、流通などに至るまでのプロセスを踏まえたうえで、自社で導入可能な施策を検討することが必要です。
▼事業内容との整合性を意識した取り組み例
- 飲食店でフードロスを削減する施策を導入する
- 飲料メーカーで包装容器のプラスチックラベルを廃止する
- 衣料ブランドで100%植物由来の材料・染料を使用する
※うわべだけ環境に配慮しているように見せかけること。
②ターゲットの視点に立ったメッセージを訴求する
Webサイトや広告、チラシ、パッケージなどでエコ商品をアピールする際は、使う人のことを考えてアプローチを行うことが重要です。
企業の一方的な宣伝にならないように、環境配慮に対する意識・関心のあるターゲットの視点に立ち、感性や消費行動を刺激するメッセージを発信する必要があります。
その際は、ターゲット一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションによって、環境保護や社会貢献に対する意識に働きかけることがポイントです。メッセージを訴求する方法には、SNSや同梱チラシ、ダイレクトメール(DM)などが挙げられます。
なお、同梱チラシやDMの活用についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、エコマーケティングについて以下の内容を解説しました。
- エコマーケティングとは
- エコマーケティングに取り組むメリット
- 企業が取り組む際のポイント
SDGsによる環境保全への意識の高まりやエシカル消費の増加などを背景に、企業におけるエコマーケティングが新たに注目されています。地球環境へ配慮した商品・サービスを展開することで、企業イメージの向上や新たな顧客層の獲得、ビジネスチャンスの創出などのメリットが期待できます。
エコマーケティングに取り組む際は、事業内容と整合性を持たせることや、ターゲットの視点に立ったメッセージを訴求することがポイントです。
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サービスの詳細については、こちらの資料をご覧ください。
なお、顧客接点の強化につながるマーケティングコミュニケーションについては、こちらの記事で詳しく解説しています。