DMの反応率とは?平均・計算方法・改善施策をわかりやすく解説

ダイレクトメール(以下、DM)は、顧客の自宅に商品案内やカタログなどを直接送付して、企業のメッセージを伝えられるマーケティングツールの一つです。
近年、顧客との接点の場はデジタルメディアへと広がっています。しかし、“紙面”を送付するDMは、Web上ではできない1対1のあたたかみのあるコミュニケーションをとれる魅力があります。
DM施策を進める中で、「どのようなDMが購入につながるのか」「反応をどのように測定すればよいのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、DMの平均的な反応率と効果測定方法、反応率を上げるポイントについて解説します。
あわせて、DM施策を含めたマーケティング全体の設計や顧客との関係構築についても理解しておくことが重要です。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
目次[非表示]
- 1.DMの反応率とは?基本の考え方と定義
- 2.DMの反応率の平均と目安
- 2.1.DMの反応率の平均値
- 2.2.DMで起こる主な反応の種類
- 3.DMの反応率の計算方法
- 3.1.DMの反応率の計算式
- 3.2.レスポンス件数の測定方法
- 4.DMの反応率と合わせて見る指標
- 4.1.CPR(費用対効果)とは
- 4.2.BEP(損益分岐点)とは
- 4.3.反応率・CPR・BEPの違い
- 5.DMの反応率を上げるポイント
- 5.1.ターゲットを明確にする
- 5.2.行動に移したくなるオファーをつける
- 5.3.パーソナライズ化した内容にする
- 5.4.発送タイミングを最適化する
- 5.5.Web・SNSと連携する
- 6.まとめ
DMの反応率とは?基本の考え方と定義
DMとは
DM(ダイレクトメール)は広告手法の一つで、企業から個人に向けて「ダイレクト」に送られる封書やはがき、情報誌・カタログ、同梱パンフレットなどが定義されます。電子メールも含まれますが、この記事では郵送DMに限定して解説します。
▼関連コラム:DM(ダイレクトメール)とは?DMの種類や用途、活用のポイント
DMの反応率の定義
DMの反応率とは、DMの送付数に対して問い合わせや資料請求、購入などの企業に対する直接的なアクション(レスポンス)があった数の割合を指します。DMの効果測定において重要な指標となるもので、反応率が高いほど効果的なDM発送ができているということです。
また、「インターネットで検索した」「店舗へ来訪した」「話題にした」といった間接的な行動も、反応として捉えられる場合があります。
DMの反応率の平均と目安
DMの反応率の平均値
一般的に、DMの反応率は「1~5%程度」が目安といわれています。これは、問い合わせや資料請求、購入など企業が直接確認できる行動を対象とした数値です。このような数値は「直接反応率」と呼ばれ、企業が成果として把握できる指標です。
なお、DMの反応率はターゲットによっても異なり、新規顧客では0.5~1%、見込み顧客では1~10%、既存顧客では5~15%程度が目安とされています。
一方で、DMをきっかけとして「インターネットで調べた」「店舗に訪れた」といった行動も含めると、反応率は15%前後~20%程度になるという調査結果もあります。これらは、購入や問い合わせに至る前段階の行動であり、「行動喚起率」と呼ばれます。DMの影響力をより広く捉えた数値といえます。
DMの効果を正しく評価するためには、これらの「直接反応率」と「行動喚起率」を区別して捉えることが重要です。
また、これらの指標だけでなく、広告施策全体の費用対効果を捉えることも重要です。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
DMで起こる主な反応の種類
DMを受け取った後の顧客による反応としては、以下のような行動が挙げられます。
- インターネットで調べた
- お店に出かけた
- 家族・友人・知人などとの話題にした
- 商品・サービスを購入・利用した
- 問い合わせをした
- 資料を請求した
- 会員登録した
- ネット上の掲示板やSNSなどに書き込んだ
- その他
一般社団法人日本メーリングサービス協会が実施した「DMメディア実態調査2025」によると、本人宛に送付されたDMに対して、約15.2%の人が何らかの行動を起こしていることが分かっています。
この数値は、DMをきっかけに「調べる」「問い合わせる」「購入する」といった行動につながった割合を示しています。具体的には、「インターネットで調べた」が7.2%と最も高く、問い合わせ(2.8%)、購入・利用(1.7%)と続いています。
このように、DMはすぐに購入につながるケースだけでなく、まずは情報収集としてWeb検索を行うなど、次の行動を促す役割を担っていることが特徴です。
さらに、同調査では本人宛DMの開封・閲読率が56%と、過半数が実際に読まれていることも報告されています。
あわせて、若年層ほど行動喚起率が高い傾向も見られており、デジタルに慣れた世代に対しても一定の効果が期待できる媒体であるといえるでしょう。
このように、DMの反応率は一概に低いものではなく、ターゲットや内容によっては十分に高い効果が見込める施策といえます。
参考:「DMメディア実態調査2025」一般社団法人 日本メーリングサービス協会
DMの反応率の計算方法
DMの反応率の計算式
DMの反応率は、「発送したDMによってどれくらいの顧客が行動に移したのか」というレスポンス件数を測定して算出します。
▼計算式
DMの反応率 [%] = レスポンス件数 ÷ DMの発送数 × 100
▼例
DMを1,000通発送し、問い合わせが20件あった場合の反応率は以下のように計算できます。
20件 ÷ 1,000件 × 100 = 2%
DMの反応率が高いほど、多くの顧客が行動に移していることが分かります。 高い反応率を得るためには、顧客の行動を促す施策が重要です。ここでの「行動」は購入だけでなく、問い合わせや資料請求といった購入に至るまでに行った行動も含まれます。
レスポンス件数については、以下のような方法で測定を行います。
レスポンス件数の測定方法
- DMにQRコード(※)を記載して、WebサイトやSNSへのアクセスを測定する(問い合わせ・資料請求など)
- アンケートで来店・購入のきっかけを聞き、DMを選んだ人数を算出する
- DM専用のクーポンをつけて、店舗やECサイトでの使用人数を測定する
※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
DMの反応率と合わせて見る指標
DMの効果測定を行う際は、以下の3つの指標を用いることが可能です。
- DMの反応率(レスポンス件数)
- CPR(Cost Per Response:反応1件当たりにかかった費用)
- BEP(Break Even Point:売上高と費用額の分岐点)
DMの効果測定は、一般的に「反応率を算出 → CPRで費用対効果を確認 → BEPで収益性を判断」という流れで行います。ここからは、それぞれの指標について解説します。
顧客との関係構築やLTVの考え方については、こちらの記事でも解説しています。
CPR(費用対効果)とは
CPRとは、1件のレスポンスを獲得するためにかかったコストのことです。DM施策の費用対効果を測る際の指標に用いられます。
▼CPRの計算式
CPR [円] = DMの総コスト ÷ レスポンス件数
DMの総コストには、製作費・印刷費・発送準備費・発送費などが含まれます。CPRは数値が低いほど費用対効果が高いと判断できます。例えば、DMの総コストが同じ場合、レスポンス件数が多いほどCPRは低くなります。
なお、反応率(レスポンス件数)が高いほどCPR(費用対効果)の価格は低くなります。
一方で、「どれくらいの売上でコストを回収できるのか」を把握するためには、BEP(損益分岐点)を算出する必要があります。
BEP(損益分岐点)とは
BEPとは、売上高と費用額がちょうど等しくなる分岐点のことで、実際の売上高の「損」・「益」を測る指標です。売上高もしくは販売数量が損益分岐点を超えていれば利益が出る状態であり、損益分岐点を超えていなければ損失が発生する状態といえます。
▼BEPの計算式
BEP [件] = DMの総コスト ÷ 粗利単価
算出したBEPの件数よりも、実際に反応があった件数が上回っていたら、DMの総コストを回収できていると判断することが可能です。
反応率・CPR・BEPの違い
反応率と、CPR、BEPは、どれもDMの効果測定において重要な指標です。DMにかかる総コストを回収できたか判断するにはBEPと反応率を算出する必要があり、反応率が高くなればCPRは低くなるため、この3つの指標は切っても切り離せない関係にあるといえます。
これらの違いとしては、測定する「対象」が異なります。DMの反応率はDMを発送したことによる効果を測るための指標です。一方で、CPRは費用対効果を測る際に用いられる指標のことをいい、費用対効果を高くするためには、利益を出すために最低限のBEPの件数を算出する必要があります。
つまり、反応率は顧客による反応の「数」を測る指標であるのに対して、CPRはかかった「コスト」、BEPは損・益の分岐点となる「件数」を測定するための指標であるという違いが挙げられます。
DMの反応率を上げるポイント
DMの反応率を上げるには、受け取った顧客の興味関心を惹きつける内容に工夫する必要があります。ここからは、実際のDM施策において重要となる要素を基に、反応率を上げる5つのポイントを解説します。
ターゲットを明確にする
顧客の興味関心を惹くDMの内容を考えるためには、ターゲットがどのような人物なのかを明確にしておく必要があります。性別や地域といった属性に加えて、家族構成・趣味・職業などを踏まえ、具体的な人物像を明確にすることがポイントです。
ターゲットを明確にすることで、その人物の興味関心を刺激できるようなキャッチコピーやデザイン、コンテンツを検討できるようになります。
▼ターゲットの例
項目 | 具体的な内容 |
属性 |
|
人物像 |
|
ターゲット設定の考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
行動に移したくなるオファーをつける
顧客にとってメリットとなる魅力的なオファーをつけると、DMを経由して来店やWebサイトへのアクセス、問い合わせなどの行動を喚起しやすくなります。
▼オファーの例
- DMを受け取った方に向けた限定のクーポンをつける
- 期間限定の割引キャンペーンを案内する
- 来店時のDM持参でノベルティをプレゼントする
- 家族・友人紹介で商品券をプレゼントする など
パーソナライズ化した内容にする
例えば、宛名を「お客様へ」ではなく「〇〇様へ」と個人名で記載することで、顧客に「自分宛てのDMだ」と認識してもらいやすくなります。また、差出人も企業名だけでなく担当者名を記載することで、親近感を高めることができます。さらに、購買履歴や興味関心に基づいた内容を盛り込むことで、より高い反応が期待できます。
▼パーソナライズ化したDMの例
- 宛名や差出人には個人名を入れる
- 宛名だけでなく、訴求文のなかに名前を入れる
- 過去の購買履歴を基に関連した商品を訴求する
- 居住エリアに近い店舗のキャンペーン情報を記載する など
発送タイミングを最適化する
顧客の誕生日や季節のイベントなど、顧客の興味関心が高くなっているタイミングを狙ってDMを届けることでより高い効果を期待できます。例えば、12月であればクリスマスやお正月に関連した商品を訴求すると、反応率を高められる傾向にあります。
新生活が始まる1月、4月、9月は、消費に対するハードルが低くなるといわれています。高額な商品であれば、ボーナス時期を見越して5~6月、11月の発送を検討すると良いでしょう。
また、平日よりも時間に余裕のある土日祝日などの休日に届くよう発送することで、確実に読んでもらえる確率が上がります。一方で、大型連休や年末年始など忙しい時期に重なってしまうと、不在だったり、ほかの郵便物に紛れてしまったりして読まれない可能性があるので避けましょう。
▼DM発送のタイミングの例
- 誕生日や季節のイベントの前に発送する
- 新生活の始まる1月、4月、9月、ボーナス前の5~6月、11月に発送する
- 土日祝日などの休日に届くように発送する など
Web・SNSと連携する
DMだけでは伝えられる情報量が限られてしまうため、SNS等ほかの媒体と連携することが有効です。あらかじめDMにQRコードやURLを記載しておき、WEBサイトやSNSへアクセスしてもらいましょう。WEBサイトやSNSには文章だけでなく画像や動画を投稿できるため、より詳細な情報を顧客に届けることができます。
顧客との接点を増やすことは、反応率の向上だけでなく、関係性の強化にもつながります。顧客接点の設計については、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
この記事では、DMの反応率について以下の内容を解説しました。
- DMの平均的な反応率
- DMの効果測定を行う方法
- DMの反応率を上げるポイント
より有効なマーケティング活動を行うには、DMを発送した後に効果測定を実施して、課題の把握や改善につなげていくことが重要です。また、DMの反応率を高めるためには、ターゲットや訴求内容、タイミングなどを適切に設計するとともに、効果測定の結果をもとに継続的に改善していくことが重要です。
サービスの資料は、こちらからダウンロードしていただけます。
なお、顧客一人ひとりにアプローチを行う“1to1コミュニケーション”については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

