
パーソナライズドマーケティングで一人ひとりの体験価値を高めるには?
スマートフォンやSNSが普及して、商品・サービスの購買活動がオンラインの場へと広がっている今、顧客の購買行動と接点は多様化・複雑化しています。
▼BtoC-ECにおける市場規模の推移
画像引用元:経済産業省『令和3年度 電子商取引に関する市場調査報告書』
数あるモノや情報のなかから自社の商品・サービスに興味を持ってもらうには、すべての人に画一的なアプローチを行うのではなく、一人ひとりに合わせたマーケティング戦略を打ち出すことが重要です。
そこで注目されているのが、パーソナライズドマーケティングです。このマーケティング施策を取り入れることで、顧客接点での体験価値を高めて興味関心の醸成や信頼関係の構築などにつながると期待できます。
出典:経済産業省『令和3年度 電子商取引に関する市場調査報告書』
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一人ひとりに寄り添ったパーソナライズドマーケティングとは
パーソナライズドマーケティングとは、顧客の属性・趣味嗜好・行動履歴などの情報に基づいて、一人ひとりに最適化された体験を提供することです。
▼パーソナライズ化された顧客体験の概要
画像引用元:経済産業省『令和3年度 商取引・サービス環境の適正化に係る事業(小売業に係る国際動向等調査)』
従来では、テレビCMや新聞広告などの不特定多数に向けて画一的なアプローチを行うマスマーケティングが主流とされていました。
近年では、スマートフォンやSNSが普及して購買活動の場がオンラインに広がったことで、顧客の購買行動・接点が多様化しています。また、消費スタイルがモノ消費からコト・トキ・イミ消費に変わり、顧客の価値観にも変化が見られています。
このような背景から、従来の画一的なアプローチでは顧客との接点を創出したり、興味関心を高めたりといった効果を得ることが難しくなっています。
これからの時代は顧客に商品・サービスを知ってもらい、興味関心を高めて購買へとつなげるには、一人ひとりに合わせた方法・内容・タイミングでアプローチを行い、顧客体験価値の向上を図ることが重要です。
なお、顧客一人ひとりにパーソナライズ化した施策で顧客とのコミュニケーションをとる“one to oneコミュニケーション”は、こちらの記事で解説しています。
パーソナライズドマーケティングによって期待できる効果
パーソナライズドマーケティングを実施することで、以下の効果が期待できます。
▼期待できる効果
- 潜在顧客の獲得
- 顧客ロイヤルティの向上
- LTV(顧客生涯価値)の向上
パーソナライズマーケティングでは、ユーザーのニーズに近い情報を提供できます。その結果、顧客が持っていない情報や、顧客自身が気づいていない潜在的なニーズに対してアプローチを行えるため、潜在顧客の獲得につながります。
また、一人ひとりのニーズに合わせた情報を適切なタイミングで提示すると、企業に対してよい印象や信頼を持ってもらいやすくなります。顧客にとって有益な情報を提供して継続的な接点を維持することで、顧客ロイヤルティの向上にも結びつくと考えられます。
顧客ロイヤルティが高まれば、リピート購入または継続契約などの定着化につながり、LTVの向上にも貢献することが期待できます。
パーソナライズドマーケティングを使ったアプローチ手法
パーソナライズドマーケティングのアプローチには、オフラインとオンラインの手法があります。2つの手法を組み合わせることで、多様化する購買行動・顧客接点を捉えて、一連の購買プロセスにおける体験価値を高められます。
①インターネット検索やSNSでの広告配信
1つ目は、インターネット検索やSNSで、ユーザーが過去に検索・投稿・閲覧・コメント・リポスト(リツイート)した履歴に応じて、パーソナライズ化した内容の広告を表示する方法です。
商品・サービスのターゲットとするユーザーが興味を持ってくれそうな広告を配信することで、潜在層の認知拡大や購買行動の促進につながります。
▼SNSでの広告配信例
- 自社商品と関連するキーワードが含まれた検索・投稿をしたユーザーに広告を配信する
- 自社の業界や商材との親和性が高いアカウントをフォローしているユーザーに広告を配信する
②DM(ダイレクトメール)の送付
2つ目は、ECサイトや会員サイトなどから顧客の住所情報を取得して、パーソナライズ化されたDM(ダイレクトメール)を送付する方法です。
顧客の属性や購入履歴に基づいてDMで有益な情報を提供することで、信頼関係の構築、リピートの促進につながります。
また、紙媒体ならではの人と人とのリアルなコミュニケーションは、信頼や愛着が醸成されやすいことから、顧客ロイヤルティの向上にも結びつくと考えられます。
▼DMの送付例
- 会員登録をしている顧客の属性を基に、似た属性を持つ顧客に人気の商品情報を送付する
- ECサイトで購入した商品の情報を基に、関連する新商品の情報を送付する
③ECサイトでのレコメンドの実施
3つ目は、ECサイトでの閲覧・購入履歴や登録情報、類似しているユーザー属性の利用動向などを基にレコメンドを実施する方法です。
顧客一人ひとりの趣味嗜好に合わせた商品・サービスを表示することで、求める商品をすぐに選択できたり、比較検討がしやすくなったりして顧客体験の向上につながります。
▼ECサイトにおけるレコメンドの実施例
- 商品の検索ページで閲覧した商品とジャンルやテイストが同じ商品を表示する
- 商品の購入ページで、似ているユーザー属性が購入している別の商品を表示する
- 過去の購入履歴を基に類似する商品を検索ページで表示する
④同梱物の送付
4つ目は、通信販売で商品を配送する際に同梱物を送付する方法です。
顧客の属性や購入した商品を基に、一人ひとりに合わせた内容の同梱物を送付することで、既存顧客のリピート促進と定着化を図れます。
DMと同様に、同梱物の送付は顧客との直接的なコミュニケーションになるため、愛着や信頼の醸成につながりやすいと考えられます。
▼同梱物の送付例
- 購入した家具を配送する際にインテリアのコーディネート例を紹介するカタログを同梱する
- 初回購入した顧客に対してお礼の気持ちを伝える挨拶状を同梱する
- 購入した食品に関するアレンジレシピや詳細な栄養情報などをまとめたチラシを同梱する
- 顧客の住所に近い店舗で使える限定クーポンを同梱する
なお、同梱物の訴求力をアップするためのデザインについてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、パーソナライズドマーケティングについて以下の内容を解説しました。
- パーソナライズドマーケティングの概要
- パーソナライズドマーケティングによって期待できる効果
- パーソナライズドマーケティングで体験価値を高めるアプローチ手法
パーソナライズドマーケティングを取り入れて、顧客情報に基づいた一人ひとりに最適化された体験を提供することで、潜在顧客の獲得や顧客ロイヤルティの向上、LTVの向上につながると期待できます。
顧客へのアプローチを行う際は、オンラインとオフラインの手法を組み合わせて、一連の購買プロセスにおける体験価値を高めることがポイントです。
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